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- 街とコーヒー
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2016.05.04 Wednesdayものすごく久しぶりに書きます。
フェイスブック(https://www.facebook.com/kakuregaen/)にはいろいろと書いているのですが、
そこに書いたことや、そこには書ききれないことも、こちらに書いていきますね!
昨夜の嵐のような天気から一転、今朝は清々しい青空と柔らかい太陽の陽射し、そしてちょっとだけ凛とした空気。
焙煎機のスイッチを入れてちょっと落ち着いたら、「この季節はこういう感じだったよね」というのを思い出させてくれました。
五月の空は、こうでないとね!
今朝の焙煎、グァテマラ、エチオピア、ブラジル。
写真は、今朝の焙煎室前で「ジュース買え!」と、おねだりしている娘。
『街とコーヒー』
僕はこの言葉が大好きで、って言っても誰かが言っていた訳ではなくて、
もうずいぶん前、たぶん学生だった頃だから18年ぐらい前に、何となく書いたこの言葉が今も僕の心の底にあります。
字面もいいし。
コーヒーが大好きだったから、今この仕事をしているけど、他にも好きなことがたくさんあって、その一つが、街を見ること、建物を見ること。
なので旅をする時は、建物を見に、コーヒーを飲みに。が、ほとんど。
なので、街作りの会もやっているし、コーヒーを飲むお店もやっている。
好きなものや好きなことに囲まれた生活をしているわけですが、これがなかなか大変で、でも楽しい。
知れば知るほど、好きになればなるほど、「街」や「コーヒー」が切っても切り離せない関係にあることに気がつきます。
そんなことをこれから少しずつ書いていこうかな。って思っています。
4月の最初の頃に「書いていこうかな」って思っていたけど、その後に熊本や大分の地震があって、今もそれは続いていて大変な生活を送っている方もたくさんいる中で、ちょっと書く気が湧かなくなっていました。
でも、街のことを考え書いていくことは、災害の時にも役に立つことがたくさんあるから、熊本や大分のことをおもいはかりながら書いていこうと思いました。
- この日、僕はゼペットじいさんになれたかな?
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2015.03.22 Sundayみなさんこんにちは。先日、臨時休業させて頂いて、「ミュージカルアカデミーとぶくじら」の公演のお手伝いへ行ってきました。今回で三回目のお手伝い。公演は四回目、ってことで「あぁ、あの下手の舞台袖にある大道具の右下の釘のことね」なんてちょっとしたベテラン?な感じで、余裕で構えていられるかと言ったら、やっぱり全然そうではありません。毎回、本番へ向けての独特な緊張感の中、真剣に準備をさせてもらっています。僕の役割は今年も大道具を組み立てること、本番中にそれを動かすこと。片手に電動ドリル、もう片手に木ねじ、後ろポケットには台本、格好だけは一人前。でも大道具って、舞台の景観を作る大きな大きな役割のもの。本番中に、「屋根が外れた!」「布が破れた!」なんてことがあってはいけません。なので格好だけではなく、ちゃんとあれこれ考えながら組み立てます。得意分野なので、この作業はすごい楽しいのです。昨年も書いていますが、この「ミュージカルアカデミーとぶくじら」は、俳優の卵を育成するようなものでは全くなくて、こどもたちが飛んだり歌ったりと自由に表現をして、その力を培い、心と体を育む事を目的としています。詳しくはホームページへなので、指導をすると言っても、舞台上の見た目、演技をただ良くするという訳ではなくて、こども達一人一人の心の中に向かって話をしてくれます。だから、本番前日のリハーサルで初めて舞台に立つ子もたくさんいて、これまでの教室とは違うその雰囲気に飲み込まれてしまう子もいます。一昨年も、昨年も、今年もそうでしたが、前日のリハーサルでこの状態、明日の本番が迎えられるの?って思います。1年近く練習をしてきたけど、台詞を忘れる、踊りを間違える、出番を間違えるなどなど、大きな舞台に足を踏み入れた緊張ややる気の空回り。順調にリハーサルが進むなんてことは全然ありません。僕も何度経験しても心配になる。きっと他の裏方さんもそうだと思う。でも、先生だけは1年間ずっと見てきているので知っています。いや、信じているのかな?こども達の爆発力を。この時だけは厳しい言葉も飛びながら、こども達が自分でその殻を破ることができるよう、下からものすごい力で支えているように思います。そして、こども達はわずかな時間で殻を破り、僕が想像できないような爆発力を見せてくれます。そんな力を蓄え迎えた本番は、それはもう言葉では言い表せません。一昨年も、昨年も見たけど、今年も「でっかいくじらが飛ぶ!」ような奇跡を、こども達が見せてくれました。あの子もあの子もあの子もあの子もみーんな、それはそれはすごい力で本番をやり遂げました。今年の演目は「ピノキオ」ご存知の方も多いと思いますが、ゼペットじいさんが作った木の人形がいろいろな経験や挫折をして、最後は人間になるという物語。今回のこの舞台は、まだ動くことのできないピノキオをゼペットじいさんが作っているところからスタートしました。主人公でもあるピノキオの役はもちろんこどもたち。でも、最初のこの場面だけ、60センチぐらいの本物の木で作られたピノキオ人形が出ています。手づくりだけど、すごく丁寧に作られていて、イメージするピノキオにそっくりなかわいい人形。舞台のスタートを彩る重要な役割。だけどこのピノキオ、よく見ると関節部分が細い竹で繋がっており、数々の移動などで折れてしまわないかちょっと心配でした。って思ったのも束の間。前日のリハーサル終了時ぐらいに、肩の関節が折れてしまいました。さぁ大変です。細かな材料を買いにいく時間も無く、ここにある材料で治さないといけません。ここは道具係の腕の見せ所。電動ドリルとたまたま持って来ていた細い木ねじの組み合わせで、なんとか修理完了。間接も強くなって折れることはまず無いでしょう。そして、本番当日。他の道具も手直しして準備万端で最後のリハーサル。ここも何事も無く終了。あとは本番を迎えるのみ。だったのですが、、、そのとき、なんと今度は首の部分が折れてしまいました!舞台の真ん中で椅子に座っているピノキオの首が公演中に落ちてしまったら、これは事故ではなく、事件です!っていう感じでびっくりすると思うので、本番までの一時間ちょっとで修理をしなければいけません!よく見たら、足の付け根の部分も折れてる。。。少し焦ります。昨日もやっているけど、箇所が違っているので方法も違います。まぁでも落ち着いて、悩んでいる時間も無いし、きっと間に合うって思いながら修理開始。釘と木ねじとボンド、ドリルとのこぎりとヤスリ、ある限りの材料でなんとか修理完了。時間も間に合って、これで本番で折れるようなことはありません。ほっと一安心。。。と、このピノキオを修理しているとき、5歳の出演者の男の子が声をかけてきました。「何してるの?」って。「ピノキオが壊れちゃったから治してるんだよ」って言ったら、「ゼペットじいさんみたいだね」って言ってくれて、そのとき初めて「あっ!ほんとだ!ピノキオ組み立てたゼペットじいさんみたいだ」って気がつきました。いのちが吹き込まれるように大切に大切にピノキオにを作ったゼペットじいさん。僕は、ただただこども達の舞台が少しでもうまく行くように治していただけだけど、ゼペットじいさんが作ったピノキオと同じように大切な本番の舞台。もしも、そのとき僕が少しでもゼペットじいさんになれていたなら、それはすごく嬉しいこと。舞台にいのちを吹き込むことができたのだから。そして本番のあの奇跡が起きているのだから。今年もあの舞台にいれて、本当に良かったなって思いました。そうそう、昨年に引き続いて今年も息子が出演しました。今年の役は本人たっての希望でぶたさん。堂々と舞台に立つ姿は、昨年からの成長かな。僕も一緒に踊ったし。息子と一緒に立つ舞台。これもなかなか経験できないこと。粟島先生本当にありがとうございます。そんなこんなで今年も楽しかったミュージカル。また来年はどんな風になるのか?それも楽しみ!あっ!あと一つ言いたいことが・・・「ゼペットじいさんになれてたら」なんて書いてあるけど、実物はまだまだじいさんではありませんよ!まぁ気分的には「ゼペットおにいさん」かな。実際は「ゼペットおじさん」だな。ではでは、またです。
- コーヒー豆の焙煎って職人の技なのかなぁ?
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2015.02.18 Wednesday
みなさんこんにちは。久しぶりの日記です。書けない言い訳ではないのですが、、、おかげさまで、最近は朝も夜も焙煎をしないと追いつかなくなってきています。まぁ「えん」に焙煎機があればもっともっと焙けるのだけど、
でも、置く場所と焙煎機の重量を支える事と焙煎に夢中で営業そっちのけになる事が解消されるまでは、ちょっと無理。なんです。
先日、西尾市にある「ほうろく屋」という、菜種油を作っている工房の見学をしました。「昔ながらの製法で油を作っています」と言いつつ、でも油を作るのにはごく自然で当たり前の製法でやっている油屋さんです。そしてこれも当たり前なのですが、やっぱりおいしいのです。
この油についての詳しいお話しは「えん」での販売が始まったら、またしますね。
僕が話したいのは、この工房を見学しているときに工房主から聞いたこと。
「職人って呼ばれる人たちっているでしょ。あのカンというものを身につけて、やっといいものが作れる」
「焙煎は数字では絶対に計れないんだよね。焙煎のマニュアルを決めてしまうと、一粒一粒個性のある菜種の良さを引き出せない」
菜種油は菜種を焙煎して、油を搾ります。
コーヒーもそうですが、素材を除けば、この「焙煎」という過程が味の善し悪しを占める割合ってものすごく大きいと思います。
コーヒー豆の焙煎も工学的にいろいろと分析されています。でも、分析をして最高になると思われる過程で焙煎されたコーヒーを飲んでも、それがその豆の個性を最大に引き出している味とは感じなく、確かに焙煎はすごく上手く出来ていましたが、僕はそれをおいしいく思えなかったのです。
例えば、計算されてきれいに見えるように作られた夜のイルミネーションよりも、朝陽が昇るさまの方がきれいだと僕は思います。
なぜかと言うと、イルミネーションも「きれい」とは思うのですが心揺さぶられるようなことは無く、朝陽の「きれい」は無意識にそう感じるから。
「おいしいコーヒーってなんだろう?」って思うと、農園の人たちが大切に懸命に育てた自然のめぐみたっぷりのコーヒー豆に、その想いをそのまま「焙煎」という行程でコーヒー豆の中へぎゅっと詰めて、そのぎゅっと詰まったものが飲んだときに体中に放たれるような、そんなコーヒーがおいしいコーヒーだと思います。それはきっと体が無意識に感じるおいしさだと思います。
そんなコーヒーは、分析や計算では出来ません。じゃぁ、どうやったら出来るのか?と言うと、本当は秘密にしたいけど、でもみんな自然と知っている事だから教えちゃいます。
好きで好きでたまらなくなればいいんです。それだけ。そうすれば、みんなおいしいコーヒーを焙くことができるんですよ!
もう13年ほどコーヒーの世界にいて、最近のコーヒーの世界の流れももちろん知っていて、新しい流行が出来つつあるのも感じているのですが、でもやっぱりそこに「愛」がないとね!
それがあるコーヒーがもっと世の中に巡れば、いろいろなことがたくさん解決できるんじゃないかな?って僕は思います。
「コーヒーが巡ると世界も巡る」そんな事をいつも思っています。
まぁコーヒーでなくても、そんな気持ちを持って素敵なものを作っている人たちはたくさんいるんですけどね。
そんな人たちのことを少しでも多くの人に知ってもらえたらな、と。コーヒーがその役に少しでも立てれたらな。と、思います。
今日も、経験を積んで工夫を重ねて上の見えない向上心を抱いて、好きで好きでたまらないコーヒー豆を焙煎しますね!
- 今年も来ています。職業体験の生徒さん。
- あけましておめでとうございます。
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2015.01.10 Saturday新年あけましておめでとうございます。すこし遅れての新年の挨拶ですみません。そして、久しぶりの更新ですみません。昨年は目まぐるしく毎日が過ぎていき、気がつけば、時の流れの早さに驚くばかり。でも、それはきっと自分の気持ちにも余裕がなかったからですね。古い建物を使って、その良さを生かして毎日お店を開けているのに、自分ばかりバタバタとしていてはこの建物に笑われてしまいます。築88年になろうとしているこの建物のように、ゆったりと大きく深く落ち着いて過ごし、そして悠々と眺められるような、そんな一年になれたらと思います。「コーヒーを飲む。晴れた日曜日の昼下がりに。」って、そんな毎日がまた今年も繰り広げられるよう、お店の入口を開け、みなさんをお待ちしております。本年もどうぞよろしくお願い致します。
- 夏の一日
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2014.08.09 Saturday夏はね、気がついたときにはもう過ぎているもの。そして、たくさんのいろいろな事は、気がついたときにはもう過ぎてるよね。本当はこんな事している場合じゃないのに、真夜中に車の運転をしていて強烈に思い出したずっと前のある夏の一日。気がついたのはずっとずっと後だったけど、「そこに僕はいた」って思ったら、今、ここにいる僕は、まんざらでもないなって思った。たくさんのいろいろな事は、気がついたときにはもう過ぎてるから、だからすぐに気づけるように、忘れないように、今年もこの本を読みます。『夕凪の街 桜の国』もう何回目の紹介だろう?「えん」の本棚にいつもあります。目をつぶって想像してみると、きっとこの本の出来事が起きた日も、夏の暑い日。夏が過ぎていたのかどうかは分からないけど、読み終わったあとは、夏が過ぎています。季節は巡り巡るのに、この本のような事は今なお続いています。僕がさらに歳を重ねて、ふと思い出す夏の記憶が、この本のような出来事じゃない事を願います。「まんざらでもないな」って思えるような夏の日が、100年後も続くといいな。
- フェイスブックページにも書いています。
- 始まり始まり
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2014.04.25 Fridayこないだの水曜日のこと、4年4ヶ月勤めてくれたスタッフの最後の出勤日でした。最後の日はとても忙しく、「今日で最後だね。あっという間の4年間だったね!」なんて話しをする間もなく終業時間を迎えました。彼女が初めて「えん」に来たのは4年前の12月初旬。面接の為に訪れてくれました。そこでコーヒーを淹れて出したのですが、そのコーヒーは、彼女がこれまで飲んだコーヒーの中でも相当なおいしさだったそう。後々、「面接のときに飲んだコーヒーが衝撃的でした」と言う言葉を何度か聞きました。そのときに淹れたコーヒーは「ケニア キアンデュ」何となく、今でも覚えています。そしてこないだ、ずっと見たいと言っていた焙煎を、やっと見せることができました。「なに焙くところが見たい?」と聞いたところ、答えは「ケニア」後味の余韻を残さないほどさわやかなこのコーヒーを好きになるところが、また、彼女らしいな。と思いました。一見、クールそうにみえるけど、笑顔はとても女の子らしくてかわいく、よく笑う。少しだけシャイ。こどもも大好きで、自分でこども造形教室をやっているぐらい。自分で考えることがすごくできて、目の前にある当たり前のことを、きっと当たり前には見ていないと思う。それは、ただ斜めからものを見るという訳ではなく、物事の質を見ているような、そんな感じ。まかないご飯中によく話しをしたけど、その話ぶりには感心したものです。髪型と丸顔の感じから、「兄妹?」って、よくお客さんに言われました。いま「えん」にいるスタッフの中で、一番洗い物が早くて、スコーンを作るのも早い。いま「えん」にいるスタッフの中で、二日酔いで仕事をしたことがあるのは、彼女だけ。(あっ僕もだ。。。)これまで「えん」で働いたことのあるスタッフの中で、自らカフェを始めるのは、彼女が初めて。そう、彼女が「えん」を辞めることになったのは、自分のお店をオープンするからなのです。誰でもたくさんの想いや考えを持っていると思うけど、それを表現する手段を持っている人に、僕はとても魅力を感じます。その表現力を持っている彼女のお店がどのようになるのか?僕はもう、「楽しみ!!」以外に何も思うことはありません。写真は、話の途中で出てきた「ケニア」このコーヒーから始まった、彼女の「えん」の仕事。また違うコーヒーから始まる、彼女の新しい暮らし。これまでありがとう!がんばってね!あさちゃん。
- 春
- もう三年。
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2014.03.19 Wednesday今年も3月11日が過ぎました。あの日から三年。あっという間の三年間。その間に、僕たちの周りでは何か変わったかな?何かが変わるのは、急にではなくて、ゆっくりと変わるものの方が多いと思います。動物も植物も。時間も季節も。朝から昼になるもの。夕方から夜になるのも。変わったことに気がつくのは、変わっている途中ではなくて、変わった後に気がつく事の方が多い。何にも変わっていないようで、少しずつ少しずつ変わっている。あの震災があってから、きっと僕たちの意識はいろいろと変化していると思います。あの日のこと、みなさんは覚えていますか?あの瞬間のこと。そのあとの事。揺れはあったものの、直接的な被害はほとんどなかった名古屋やその近辺。あの瞬間のことは、きっと誰もが覚えていると思います。じゃぁ、次の日の事は?その次の日の事は?僅か数分の揺れで激変したこの世界の3日後を覚えていますか?「えん」の本棚には、ずっと前から震災の本が2冊置いてあります。一冊は前にここで紹介したマンガ。もう一冊は「SWITCH」という雑誌。日常に戻る事は大切だけど、その日常が続くと大変な事があった事も忘れてしまいそうです。忘れてしまうのはとても悲しい事。もしも忘れてしまいそうだったら、この雑誌を読んでみてください。心がぎゅーっとなったあの日を思い出す事が出来ると思います。まぁ、地震の前の日常と今の日常は違うと、僕はそう思うけどね。春がそこまで来ていますね!なにがあっても季節は巡る。巡る季節の流れに乗りながら、緩やかな変化の流れに乗りながら、今日も一日、過ごしましょ!春の焙煎は、とても楽しいっ!!